中央を押さえつつキングを守る

 今まで数回にわたって駒得のテクニックを勉強してきましたが、常にチャンスがあるわけではありません。特に最初の配置ではすぐに決め手があることは少ないので、自分でチャンスを作り出す必要があります。

 今回は、序盤の駒の出し方の一例を紹介します。

 具体的な手順を見る前に、駒をどのように配置すればよいか考えてみましょう。

図1

 結論から言うと、上の【図1】のようにポーンで壁を作りつつ盤の中央を支配するのが理想的とされています。中央を押さえておけば盤のどこで戦いが起こっても、すぐに対応できるためです。

 では具体的な手順に入りたいと思います。

1.e4【図2】

図2 黒番

 ポーンで中央を押さえつつ、ビショップ(B)、クイーン(Q)の道を開けています。

1…e5【図3】

図3 白番

 黒も中央の勢力争いに負けないようにポーンを合わせます。

2.Nf3 Nc6 3.Bb5 Bc5 4.O-O【図4】

図4 黒番

 白はキャスリング(キングとルークを一手で同時に動かすこと)を完了して、キングを安全な場所に逃がしました。まだクイーンサイドの駒を展開できていませんが、ここまで効率よく駒を繰り出しています。

 序盤では次のことに気をつけましょう。

 ①同じ駒を二度動かさない。
 ②キングの安全を確保する。
 ③ポーンの手は必要最小限に。
 ④無意味な駒損をしない。

 これらに気をつけるだけでも、かなり勝てるようになるでしょう。次回は、連載の区切りとして実戦例を紹介します。

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