今回は実戦例を紹介します。1858年の試合で、白は当時のトッププレーヤーのポール・モーフィーです。この試合で、モーフィーは盤を見ずに指したと言われています。
1.e4 e5 2.Nf3 d6 3.d4 Bg4?! 4.dxe5 Bxf3 5.Qxf3 dxe5 6.Bc4【図1】
6…Nf6 7.Qb3【図2】
b7とf7のポーンを同時に狙い、黒は防戦一方です。7…Qe7
f7のポーンを守りました。
8.Nc3
b7のポーンを取るよりも駒の展開を優先しています。
8…c6 9.Bg5 b5【図3】
黒も反撃を試みますが……。
10.Nxb5!!
白は駒の展開で大きくリードしているので、ナイトを犠牲にして攻勢に出ます。
10…cxb5 11.Bxb5 Nbd7【図4】
黒もなんとか攻めを止めていますが、ここで白の指した手は……。
12.O-O-O!
キングを逃がしつつ、ルークを急所であるd7のナイトに当てています。攻防一体の好手です。
12…Rd8【図5】
ここから巧妙な手順でh1のルークも活躍させます。
13.Rxd7! Rxd7 14.Rd1
d7のルークはb5のビショップによって動けません。動けない駒に圧力をかけていくのは常とう手段です。
14…Qe6 15.Bxd7+ Nxd7【図6】
白は黒に体勢を立て直すすきを与えません。
16.Qb8!! Nxb8 17.Rd8#
白の勝ちです。白はすべての駒を効率よく使っていて、よいお手本となるゲームです。
連載記事はいったんこれでおしまいです。何度も読み直して自分のものにしていただけると嬉しいです。
前の記事 |