基本手筋① ー 二つの駒を狙うダブルアタック

 今回は最も基本的な駒得の手筋としてダブルアタック(両取り)を紹介します。
 チェスでは一度に一つの駒しか動かせないため、同時に2つの駒を狙えばそのうちのどちらか片方は必ず取れるわけです。では具体例を見ていきましょう。解説を見る前にまずは自分の頭で考えてみてください。

図1 白番

 白番です。駒の点数的には黒が勝っていますが、ここで白には逆転の1手があります。
1.Qg4+(図2)

図2 黒番

 黒はキングを逃がす以外に手はなく、次の手でd7のルークを取ることができます。

 では、もう一例ご紹介します。

図3 黒番

 黒番です。先程と違い、ダブルアタックに持ち込むには準備が必要です。

1…Qg1+!!
 !!は「とてもいい手」と言う意味です。クイーンのタダ捨てですが、g1のマスへ白キングをおびき出すのがポイントです。

2.Kxg1 Nxe2+(図4)

図4 白番

 ビショップを取りつつ、白クイーンと白キングの両方を狙うダブルアタックです。白はキングを逃がすしかないので、次の手で黒は白クイーンを取ることができ、結果的にナイト一個分駒得になります。
 ちなみにナイトによるダブルアタックは「ナイトフォーク」と呼ばれます。

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